日米の共通点と相違点!周麻酔期看護師を解説

2010年に聖路加国際大学の大学院修士課程に周麻酔期看護師養成講座ができるまで、日本に麻酔を専門とする看護師は存在しませんでした。しかし、アメリカでは麻酔看護師が1860年代から既に麻酔管理をおこなっており、当たり前の存在といえるでしょう。今回は、日本の周麻酔期看護師とアメリカの麻酔看護師の、共通点と相違点を解説します。まず看護師による麻酔管理についてですが、医師が患者の診察や治療に専念できるように、看護師は患者の状況を正確に把握して恒常性を維持できるように、投薬や症状に合わせた処置を行います。日本とアメリカの医療制度は異なりますが、このような看護師としての視点から患者を看てケアを行うという点は、共通点となります。周麻酔期看護師の育成については、アメリカでは麻酔看護師教育プログラム認定審議会によって、フィジカルアセスメント・病態生理学・臨床薬理学を履修する他、看護理論や医療政策、看護研究を学んだり、麻酔関連や小児や緊急的な症例などに対応するためのシミュレーション教育を行うなどの教育内容が標準化されています。それに対して日本では、麻酔管理の技術のシミュレーション教育の後、実習にて麻酔科医や周麻酔期看護師の指導を受けるといった、評価と教育を同時に行う体制が取られています。また、シミュレーション内容はまだ少なく、今後疾患を増やしたり緊急的な症例にも対応することが必要です。まだ日本では新しい周麻酔期看護師ですが、社会や患者からのニーズに応える看護として必要性が高いのは日本でもアメリカでも同じです。安全な麻酔を患者に提供し、安全に手術が行えるよう、これからも麻酔科医と協働することが大切です。